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●フランスそのもの
 フランスに染まる料理人●


“我がが食べたいフレンチ”、“人に食べさせたくないほど好き。自身が食べたい!”なんて思う事もありますよ。と、語る安尾シェフからは、本当に、料理が好き、フランスが好きという事がひしひしと伝わってくる。“今は日本に来てるだけ、いつかフランスに帰る…んですよ。そういう気持ちでフレンチを作っています。”と言う安尾シェフは実は、“辻調フレンチのサラブレッド”。フレンチの王道を突き進み、
人とのつながりを大切にする、フランス人よりフランス人らしい?安尾シェフにお話を伺った。

その前にまず『restaurant Thais』をチェック→

〜ジビエな季節〜の料理をチェック→

−−安尾シェフを語る時、なによりも切り離せないのが、「大阪あべの辻調理師専門学校」。

もちろん皆さんご存知のこの学校。その昔まだまだ日本では馴染みない西洋の食文化を積極的に取り入れ普及させた
のが、前校長故辻静雄氏だ。フランス政府からはじめて外国人として最高の料理人に贈られるMOF章を与えられている。その彼が確立した“料理界の東大”からは、数多くの料理人達がここから育ち活躍している。

安尾シェフは、高校を卒業して入学。在席時には皆勤賞でしかも首席卒業。そして、学校で今度は生徒を指導する…つまり料理の先生となる。「あべの校」で、そして「フランス校」でも。生徒と教師時代を含め11年、どっぷりと「辻教育」の中に邁進したのです。

恩師 分林先生との出会い●

教師時代に恩師となったのが、現在でも教壇に立たれている分林先生なんです。僕がフレンチにのめり込んでいったのも分林先生の影響は計り知れない存在ですね。技術的なことはもちろんですが、なんといってもその人柄。懐の大きさは計り知れないんです。そのお腹の様に!?(笑)そう!すごいおなかなんですよ(笑)でもあのお腹が、人柄を物語っているんです。人間性がスゴイ。本当に、心広く包容力がある方なんです。そこにほれてしまっているんです。

実は、直接の恩師は分林先生の弟子であった安達氏という方なんです。彼から教わる事は多く、本当によくしてくれて、普通の生徒だったのですが、勝手に先生を師匠と思っていたんです。進路のことも、その安達先生に相談しついて行こうと思ったのに…学校に就職してみたら入れ違いで辞められてしまって…「ええっ?!」てね(笑)まあそれなら、その足立先生の師匠である分林先生にご指導願おうかってね。
それからは十年来の付き合いなんです。




マスター。おっさん。なんとでも呼べる友達?かなぁ(笑)でも、ボスって呼んで欲しいみたいです。でも、呼んであげない(笑)とにかく今でも、本当に仲良く!していただいています。


1997年、25歳で初めてフランスへ。

−−そうして恩師と呼べる人にも出会い、教壇に立ち、順調に進んでいった道だが、安尾シェフには、ある疑念の思いが募っていった。


フランスにいったことのない人間が、教壇に立っている。そんな人間が教えてていいのか?」と自分自身でもずっと考えていた事を、恩師分林先生に問い掛けたんです。

「本当に、学校で教えていることは本当にフランスの味と一緒なのか?本当にフランス人が食べても美味しいと思うのだろうか?辻の料理はイコールフランスの味なんだろうか?」と。
そしたらね…「いやいや、一緒ちゃうよ。もっと旨いよ。ここで教えている方がね。ずっとね。それだけの最高の事をこの学校では教えているんだよ。」と自信たっぷりに言われたんです。でもね、いくら恩師の言葉だからって、言われただけではやっぱり「本当に?」という疑問はぬぐえなかった。
                  そしたらね、速攻ですよ 。


「ほんなら連れていったる。その代わり借金しろよ。」分林先生のその一言で、初めてフランスの地に立つことになったんです。その年のゴールデンウィークに10泊11日。そして用意したのが、現金で100万!ホテル、交通費以外はもちろんそのほとんどは食事代。そしてその残りもワインや料理の物の買い物できれいに消えていきました。フランスで全てを使い切ったんです!

まず、シャルルドゴール空港についたのが夕方。着くやいなや、その夜からさっそくレストラン巡りの開始ですよ。飛行機に乗って疲れているのにいきなり、濃厚なフレンチのフルコース。まあ、それが目的だから当たり前なんですけどね。そして、次の日からも昼晩、昼晩と、二つ星、三つ星の店ばかり食べまくり・…の繰り返しです。

−−次の日の昼も夜も、そして次の日も延々とですか?


そうです。
お昼は、1時にお店に入り、食べ終わるのは4時か5時ごろ。そして、夕食は8時からスタート。そしたら、夕食が終えるのが12時になっていました。毎日がその繰り返しですよ。その間の時間は、目的のお店へと移動するための時間でした。
そりゃ、とにかくしんどい!スケージュールも。もちろん食べるのも。そんな事の繰り返しなので、観光や、景色なんて眺めている余裕なんてない。食べて移動。そしてまた食べて…また移動…その繰り返しでした。パリ、リヨン・…ブルゴーニュ近郊をこの短期間で、食べ巡りました。

だってね、既に二日目でもうピークなんですよ。もうその時点で、もうまってくれ!!
と胃がギブ寸前ですよ。まいったなぁ、これが続くんか…ってね。
でもね、三日目からもう慣れたんですよ。胃の方があわせて膨らんでくれました(笑)。

その経験は本当に衝撃的でした。