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     こだわり続けるドイツの味●


緑多き公園の横に赤いテントの小さなお店。
木の枠で作られたショーケースがひとつの店内は、木の素朴さがあたたかみを感じさせるビオ(オーガニック)にこだわったパン屋さん、「
BÄCKEREI BIOBROT」。


ドイツに惹かれ、マイスター資格を修得した松崎太氏がお母様と奥様との三人で、ドイツのパンを対面販売している。けっして多くはないパンの種類だが、その全てを試食ができるという対面販売方法もユニークだ。まだまだ、白く柔らかいパンが食べ慣れている日本において、全粒粉を使用したこだわりのドイツパンを作り上げている松崎氏の話をお伺いしてまいりました。

実は、この芦屋の地を選んだのは、パン消費量NO.1の神戸を意識しての事なんだそう。松崎氏がこだわりるパンを作るのに、納得して食べてくれるのは、この阪神間の人たちなのではないか?と考えたからなんだそう。まさにPalashioの読者の皆さんの事かしら?と言う事で、お店に訪れてみました!
●ドイツという国に

−−ドイツには、パン作りを勉強しようと思い、マイスターの資格を取るという目的を持って出かけたそうですが…?


そうですね、初めからマイスターを取るために行きました。
ドイツのベルリンの壁が崩れた後なんですが、右も左もわからなかったので薦められた旧東ドイツのパン屋さんに勤めました。実際の現地、ドイツのパン屋は、全てがビオ(オーガニック)と言うわけではなくそういうのパン屋もあるが、やはりドイツも普通のパン屋さんが多いんですよ。それはショックでしたね。


初めの見習いは…三年間。生地をこねるから焼くまでを、一年目ではこれだけ。二年目はこれだけということを徐々にこなしていくのです。週ニ回はパン学校へ行き、三日ないし四日は働く。という一週間です。
実は学校の授業時間は、就労時間に入っているのです。だから特別待遇と言うわけではなく、絶対なんです。ドイツではパン屋になりたいなら、学校に通わなくっちゃいけないんです。学校の時間も、仕事のうちなんですよ。
パン屋では働くだけならば、マイスターの資格はいらないんです。お店を持ったり人を育てる為に必要な資格がマイスターなんです。


そのマイスターの資格を修得するには、基本的に七年間かかります。学校にも通いながらの見習が三年間。そして職人の期間が三年間の経験を積みます。(個人差があります)それを働けば、マイスター学校に通えるんです。一年(夜間)もしくは半年(全日)通います。夜間に通えばその間は働く事も出来ますが、全日に通うならその間は職につく事は無理ですね。ボクは半年間で詰めて通いました。その経緯をたどり、この時点でやっと試験を受ける資格が得られたんです。



−−いきなりドイツに行かれたそうですが、戸惑いはありませんでしたか?

ドイツの人たちは親日家が多いんですよ。だから、「何で日本人が?」という感じではなかったですね。むしろ当時は日本人がとても珍しいから、注目されました。小さな街でもあったので、街を歩いていてもよく見られて、有名人でした。振り向かれたり、声かけられたり…まるで芸能人みたいでしたよ(笑)。だから、冷たくされたとかはなかったですね。

でもドイツに行ってから、三ヶ月語学学校に通ったけれど、学校で習う言葉と、実際働く時に使う言葉は全然違っていたから現場ではわからない。しかも、初めて勤めたドレスデンの地方は、方言がすごいんです。だから、もうわからない事だらけ!!身振り手振りで、嗚呼こんなことしているんだな…と、盗み見ながら…必死でした。

そうして職場は体を使って何とか覚えていけたのですが、今度はパンの学校に行ってその教科書の内容が全然わからない。

最初の頃に原材料の「牛乳」のページを、一ページを読むのに三時間かかったんです!
成分とか、色々…牛乳の事をやっていると言うのはわかるんですが…正直言って、そんなこんなで一年や二年はわかんなかったですよね。今でもこの事は忘れられませんね。