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芦屋〜夙川〜苦楽園−−大阪や神戸に比べればそれぞれの街はこじんまりしているけれど、それでもやはり、人口はかなりのもの。ご近所づきあいだってそれほど繁くもなく、「隣は何をする人ぞ」という方は多いのでは? この街には、いったいどんな人が暮らしているんだろう?!


そんなことを考えていたある日、Palashioに一通のメールが届いた。差出人は、京都南座や大阪松竹座での歌舞伎公演などにも出演されている芦屋在住の長唄三味線奏者、杵屋正人さん。杵屋さんは、Palashioに関心を持ってメールを送って下さったのだ。

このところ日本文化への関心が高まっているとはいえ、和楽器はまだまだ身近ではない。そんな和楽器、それも三味線をプロとして演奏している方にお目にかかれるなんて、なかなかないチャンス!? ということで、Palashio、馳せ参じて参りました。

●三味線ってどんな楽器?

ところは芦屋。とあるモダンなマンションの一角に、長唄三味線奏者・杵屋正人さんのお稽古場をかねたご自宅がありました。出迎えて下さったのは、紺地のきものをさらりと着こなした杵屋さん。なにしろこちらはまったくの素人。初歩の初歩からお話を伺いました。


−−まずは三味線を見せていただけませんか?

これが私が使っている三味線です。三味線、とひとくちにいっても色々と種類があります。大きく分けると、細棹、中棹、太棹の三種類で、私が使っているのは細棹です。長唄や小唄は細棹を、人形浄瑠璃の舞台で見るような義太夫には太棹を使います。ちなみに、時代劇などで芸者さんが弾いているのも細棹ですね。

三味線を使う音楽には、地唄、小唄、長唄、義太夫など色々とあります。曲の長さや演奏法によって分かれるのですが、洋楽の中でもポップスやロックなど色々あって、それぞれの区別ははっきりしていないところがあるでしょう? あれと同じで、厳密には区別しにくいものもあります。

大雑把に言えば、義太夫は人形浄瑠璃などでストーリーを語るものですから、語りがメインで唄がサブといったところです。長唄は唄が主で、メロディがはっきりしていますから、初心者でもスムーズに入りやすいのではないかと思います。


−−長唄って、どんなものなんですか?

歌舞伎の中で舞台から音楽が流れてくるでしょう? あれはだいたい長唄です。さきほどちょうど「勧進帳」の出囃子を練習していました。長唄とは何かといっても、地唄や浄瑠璃の要素を取り込んで発展してきたものですから、ひとことで定義するのは難しいんですよ。

長唄は一番(一曲)が平均で12〜3分ですが、短いものなら5〜6分、長いものは30分を越すものまであります。覚えるのは大変ですよ(笑)。