最初のうちは三日に一度は泣いてましたね(笑)。
考え方が甘すぎる、ずれている、と毎日のように本気で怒られましたから。それでも「やりたいんです〜〜」と食い下がりました。
厨房器機などをリ・ユースで安く入手する方法を教わるなど、現実的な作業を手伝っていただいたんですが、なにより貴重だったのは、「飲食店とは」「オーナーとは」という基本的で、一番大事なことを教えてもらえたことです。あの経験がなかったら、きっとお店はもうつぶれてる(笑)。
●開店へ向けての本格的な第一歩
とにかくまずは場所探しから。色んな物件を見ましたが、なかなかピンとくる物件に出会わなくて。ようやく見つかったのが今の場所なんです。8年間も放ったらかしだったんで、草はボウボウで荒れ果てていたんですが、すぐに「ココだ!!」と直感。プロデューサーに相談してみても、まったく同じ意見だったんです。
それからはもう大忙しでした。とにかく、時間を無駄にすることは、無駄な賃料を払うことになるので、工務店の方との打ち合わせ、家具探し、小物探し…、無数にある“やらなくちゃいけないこと”をこなしました。
普通、お店を始める時って、パートナーを見つけるらしいんですけど、私の場合ぜんぶ一人でやっていたんです。だからぎりぎりになるともう、時間がなくて(笑)。「ここに簾が欲しいの!!」とか、「このバーにCLOSEって書いてくださいっ」とかいって、プロデューサーをホームセンターに走らせたり、ペンキを持たせたり…。オープン直前は本当にばたばたでした。
●いよいよオープン。
ソファやテーブルから、壁の色、床の木まで、探しに探して、ようやく自分でも納得のいく空間が出来上がりました。最初のコンセプトどおり、シンプルなインテリアです。でも、プロの方にはよく、もっと明確なコンセプトを打ち出すべきだ、と言われます。今でも(笑)。お客さんは受身なもので、そのコンセプトを受け入れてお店に来てくれるものだ、と…。
確かにそれもひとつの考え方だとは思うんですが、私は、お店の空間の中でそれぞれのお客さんが個性を出してくれればいいんじゃないかな? と思っているんです。プロの方にはよく「方向性がわからない」なんて言われちゃうんですけどね(笑)。方向性がないのが方向性なんだ、と実はそこにこだわってるんです。
ここに来て、ゆっくりリフレッシュしたり、なにか思いついたり、自由に使い方を見つけて下さるのが一番嬉しいんです。
−−このカフェには書棚が置かれている。一人で来て本を読む人はもちろん多いが、カップルで来て、いつのまにか二人とも眠ってしまっていたこともあるとか。村上さんの意図どおり、一人一人が好き勝手にくつろいでいる、ちょっと不思議な空間ができあがっている。
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